少子高齢化が進み、介護が必要な高齢者の数は毎年増加しています。核家族化や未婚率が高くなっている影響もあり、ケアハウスや特別養護老人ホームなどの入居者数も増加の一途をたどると考えられます。そのため、福祉施設で働く介護福祉士などの人材は常に求められており、人手不足が続いています。 介護福祉士は国家資格です。そのため、資格を得るには福祉系の専門学校や大学などを修了するか、3年以上の実務経験を経てから国家試験を受けて合格する必要があります。医師や看護師など身分がしっかり守られている職種と異なり、介護福祉士の仕事は他のヘルパーや無資格の人も同じ業務をこなすため、しっかり身分が保障されていないのが現状です。そのため、難しい試験をパスして得た肩書でも給与や待遇の面で優遇されることが少ない可能性がある職種と言えます。そのうえ、病気に感染するリスクや、入所者の身体介護などの体力を使うハードな仕事内容、膨大な書類作成のため残業を強いられるなど問題点を多く抱えています。
そのような現状から、福祉の仕事にやりがいを感じ強い意志を持って就職した人でも、続ける自信を失い離職してしまう人が多くいます。国も介護現場の人手不足や離職率の高さに危機感を抱き、離職した人が復職しやすいように支援する制度や、安定した収入を得られるよう報酬アップの検討をするなど、様々な対策を打ち出しています。施設にとっても人材確保は重要な課題です。育児休業制度や支援制度を積極的に取り入れるところも増えてきています。現場から積極的に声を上げるのも大切です。人手不足の現在は問題提起のチャンスでもあり、数年後にはかなり待遇が改善される可能性があるでしょう。